花火大会と植物

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今年も地元の花⽕⼤会へ行くことになりそうです。
 
花火大会の醍醐味といえば、やはり“場所取り”です。見やすい場所を確保するには、お⾦・コネ・時間・知識のいずれかのリソースを使う必要があります。有料観覧席を買う、知り合いに頼んで私有地に入れてもらう、朝から場所取りをする、知る人ぞ知る穴場を見つける――攻略法はいくつもあり、お金以外の方法が用意されているところが花⽕大会の魅力だと思います。

一見牧歌的で和やかな花火大会の会場は、ブルーシートが風でめくれたら最後、別の人に陣地を奪われる――そんな、わずかでも隙を見せれば即死するような緊張感が漂います。この構図は何かに似ていると思いました。

それは植物です。⽇当たりのよい場所、栄養豊富な土、天敵の少ない場所――限られた資源をめぐり、植物は芽を出したその瞬間から陣取り合戦を続けています。

動物も同じです。ミジンコから人間にいたるまで、地球上にエネルギーが偏って存在する以上、それを享受する生き物も陣取り合戦からは逃れられません。

けれど、その激しい陣取り合戦の結果として、花⽕大会のような贅沢ができるのだ。という見方もあるかもしれません。

 ” 花火 or DIE “
 
そんな言葉が頭をよぎり、今年も複雑な気持ちで夏の夜空にきらめく花火を眺めることになりそうです。