ヴィパッサナー瞑想10日合宿の記録2

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センターに到着してからその日の夜までの記録です。

0日目つづき

車から降りた場所にはいくつか宅配便伝票のついた荷物がありました。どうやらあらかじめ合宿用の荷物を送っていてもOKなようでした。

食堂で受付を行います。保険証を提示し、財布とスマートフォンを預けます。ここで自分の部屋番号を教えてもらいます。使用する靴箱やホールで座る位置なども名前ではなく部屋番号で指定されます。食堂を出るとトイレやシャワーのあるシャワー棟があり、その先に2棟の宿舎がありました。敷地内は舗装されている箇所はほとんどなく、周囲は鬱蒼とした森に囲まれているようでした。

宿舎

宿舎はドミトリーのA棟と、半個室のB棟があり、それぞれ15人ほどが寝泊まりできるようになっています。半個室のB棟は基本的に古い生徒(リピート参加者)が使用し、新しい生徒(初参加者)はドミトリーのA棟だと事前の情報収集で理解していましたが、初参加にもかかわらず自分はB棟(半個室)でした。他にも2人ほど新しい生徒が半個室を割り当てられてました。最初は年齢で分けられてるのかと思いましたが、コース後に2人に名前を聞くと、自分とあいうえお順で名前が近い人たちだったので、もしかしたら名前順で割り当てられてるのかとも思いました。でも結局法則はよくわかりませんでした。

B棟に入ると、入り口の靴箱の上にペットボトルを切ったものと、ラミネート加工された下敷きのようなものが置いてありました。下敷きのようなものには「虫取り用」と書かれています。コース中、生徒はシーラと呼ばれる5つの戒律を守らなければいけません。その一つが「生き物を殺さない」ことです。つまり、宿舎内に虫が入ってきたらこのペットボトルを加工した虫取り装置で捕獲し、殺さず宿舎外に逃がせということでした。自分が虫にきちんと対処できるのか、不安でした。

自分の部屋は入り口のすぐ隣でした。持ってきたシーツや枕カバーをセットしながら「殺人事件が起きたら真っ先に殺される場所だな…」と、まずしなくていい心配をしました。

シャワー棟で自分のシャワーの時間を指定した後、夕食まで時間があったので寝て過ごすことにしました。しばらくすると何人かが宿舎に入ってきました。後続のバスが到着したようです。後続のバスに乗った人の話によると、後のバスは人数が多く、大きい荷物と相まってぎゅうぎゅうで大変だったそうです。

夕食・ミーティング

夕食の時間になり、生徒は食堂に集まりました。食堂での座席も部屋番号順に割り当てられます。食事は自分たちで配膳し、使った食器も軽く自分たちで洗います。夕食は白米と漬物、味噌汁が中心のシンプルなものでしたが、素材の味が感じられておいしかったです。センター自家製と思われる梅干しは目が覚めるようなしょっぱさで、塩が口の中でジョリジョリしました。あまりにもしょっぱいので近くに座った人たちの間で話題になりました。

ミーティングではコースマネージャーと奉仕者の紹介と、コースの説明がありました。コースマネージャーは10日間のコースを統括し、コース中に何か問題が起きたときにはコースマネージャーに連絡します。奉仕者は食事の準備や掃除などを行ってくれる人です。コースマネージャー、奉仕者は無償で奉仕活動を行い、交通費さえも自腹です。

コースの説明ではこの後8時から一切のおしゃべりが禁止されることと、生徒が守るべき5つのシーラ(戒律)の説明がされました。

5つの戒律は以下の通りです。

  1. 生き物を殺さない。
  2. 盗みを働かない。
  3. 一切の性行為を行わない。
  4. 嘘をつかない。
  5. 酒・麻薬の類を摂らない。

古い生徒(リピート参加者)は、これに以下の3つの戒律が加わります。

  1. 正午以降、食事を摂らない。
  2. 踊りや歌などの娯楽を避け、装身具などで身を飾らない。
  3. ぜいたくな高い寝台で眠らない。

ダンマホール

8時少し前に生徒たちはホールに集まりました。ホールには整然と瞑想用の座布団が並べられていて、自分の部屋番号が割り当てられた座布団に持ってきた布をかけました。古い生徒は前方に座り、新しい生徒は後ろに座ります。古い生徒は各々マイクッションに座ったり、防寒用の腰巻きをつけたりして慣れてる感じでした。男性の生徒の中には明らかにお坊さんと思しき人もいました。

8時になると、アシスタント指導者(AT)の紹介がありました。「アシスタント」とついてますが、実質の先生です。ATには昼の12時と夜の9時に瞑想中の疑問を質問することができます。ATは高齢に見えましたが、姿勢が良く、入り口から前方のシートに座るまでの間に無駄な動きが一切ありませんでした。

ホールに瞑想指導の放送が流れ、鼻腔内を流れる呼吸を観察するように指示がありました。家で練習(のちに挫折)したアーナーパーナー瞑想です。放送の声はヴィパッサナー協会設立者のゴエンカ氏のものでした。2013年に亡くなった氏の教えがそのまま伝えられるように、全ての指導は放送音声によって行われます。アシスタント指導者はこのゴエンカ氏のアシスタントという位置付けです。

ホールには床暖房があるので冬でも基本的には暖かいです。最近はコロナ対策で窓の開け閉めをするので、寒く感じることもあります。自分の座る位置はホールの窓側だったので、朝などは寒く感じました。

夜9時に瞑想が終わり、9時半に就寝となりました。

記録3へつづく